カネボウ化粧品の美白化粧品を使って肌がまだらに白くなる「白斑」被害は、記憶に残っている人もいるのではないでしょうか。
美白化粧品を使うと白斑になってしまうのか不安になりますよね。
そこでここでは
美白化粧品による白斑はロドデノールが原因
肌がまだらに白くなる「白斑」。カネボウ化粧品の美白化粧品を使用した人に症状が現れ、大きなニュースにもなりました。この時、症状が現れたのは、約2万人。使用者の2%の人に当たる人が被害にあいました。
白斑の原因になったのは、「ロドデノール」という成分です。
ロドデノールは、カネボウ化粧品が独自の研究で開発した成分で、白樺の樹皮やハクサンシャクナゲから発見された天然成分です。
この成分は、厚生労働省から医薬部外品有効成分として認可されていました。
ロドデノールで肌の色が抜けるのはなぜ?
白斑の原因になったロドデノールは、メラニンを抑制することで、シミに効果があるとされていました。
シミの元になるメラニンが細胞の中で作られるとき、チロシナーゼという酵素が働きます。ロドデノールは、この酵素(チロシナーゼ)と反応してメラニンを抑制します。
しかし、ロドデノールがチロシナーゼと結合することで「ロドデノール代謝産物」という別の物質ができることがわかりました。
この「ロドデノール代謝産物」が増えると細胞障害が生じ、メラノサイトの元気がなくなります。
そこに何らかの要因が加わると肌の色が抜けてしまうそうです。
カネボウの調査によれば、白斑が起きるメカニズムの一部はわかりましたが、なぜ白くまだらになる人とならない人がいるのか、「何らかの要因」とはどのようなことなのかについては、まだ十分わかっていません。
現在もその理由を研究中です。
ロドデノール以外に白斑のリスクがある美白成分はあるの?
ロドデノールと似たような化学構造の美白成分に、医薬品としても使われる「ハイドロキノン」があります。
ハイドロキノンが配合された化粧品は様々なメーカーから発売されています。
すでに10年以上使われていますが、白斑の症状は1件も報告されていません。
ただし、ハイドロキノンは非常に不安定な成分なので、使用方法や配合濃度には十分な注意が必要です。
使用方法・用量については医師の指示に従って使用してください。
美白化粧品を安全に使用するために注意するポイントとは?
現在、市販されている美白化粧品は安全なものですが、より安心して使用するために注意するポイントをまとめました。
海外の美白化粧品を個人輸入して安易に使用しない
最近はインターネットを利用し医薬品や化粧品の個人輸入が簡単にできるようになりました。
しかし、海外の化粧品には日本では許可されていない成分や、医師の処方箋を必要とする成分が含まれていることもあり、健康被害を生じるケースも少なくありません。
これは国内の20代女性がインターネットを介した個人輸入で購入した美白クリームを使用し肌トラブルが起きた事例です。
海外の化粧品は、国内で定められた基準値以上の濃度の成分を配合しているものもあるので、安全のために国内の安全基準で作られた製品を使用しましょう。
注意書き、使用方法は必ず守る
メーカーの定めた注意書き・使用方法・使用容量などは必ず守ってください。
市販の美白化粧品でも、使用方法を誤ると肌トラブルの原因となることもあります。
特に使用期間が定められている場合や、使用条件(夜のみの使用・他の製品と混ぜないなど)は、きちんと守りましょう。
また新しい美白化粧品を使用する際には、パッチテストを行うこともおすすめします。
肌に異常が現れたら、すぐに使用を中止する
肌に赤みやかゆみなど、異常が現れた場合はすぐに使用を中止してください。
異常があるのに、使用し続けるのはお肌にとって危険です。
使用を中止しても肌の異常が気になる場合は、なるべく早く医師に相談するようにしましょう。
まとめ
白斑被害を出した美白化粧品は、現在では回収されているため市販のものは安全と言っていいでしょう。
しかし、使用上の注意や用法は、お肌のためにも守って使用してください。
またお肌に赤みなどの異常が出たら、すぐに使用を中止して、医師に相談してくださいね。